かぼちゃを持った男
もうすぐハロウィンですね。

ハロウィンといえば南瓜。
そして、日本写真史で南瓜といえば島霞谷(しまかこく)の「かぼちゃを持った男」です。
私がこの作品を初めて知ったときは本人によるセルフポートレートと教えられましたが、
現在では妻の島隆(しまりゅう、日本最初の女性写真師)撮影とされています。
それにしても、今ちょっとしたブームになっている湿板ですが、
その現在でさえほとんどの作品が硬い表情の動きのない写真です。

島霞谷(1827−1870)が生きたのは、
数十秒の露光時間中に頭部がブレないように首押さえを使っていた幕末・明治の湿板写真の時代。
それなのに、この自由な笑い顔は何なのだろう?
どうやって撮影したのだろう?
 極めて魅力的な、不思議な作品です。

この「かぼちゃを持った男」は私の初めての鶏卵紙の仕事で、
松戸市戸定歴史館から湿板のガラス原版をお借りしてデュープネガと鶏卵紙プリントを作ったのは、
もう懐かしい思い出になりました。
それはその後、現代作家の鶏卵紙プリントを作る上でも、とても良い、とても贅沢な経験となりました。



2019年 9月 29日


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